休学して2度目の就活でWebエンジニアを目指したら強くてニューゲームだった件

f:id:Ito-you:20220414213451p:plain お久しぶりです。いとゆうです。

私自身の就活に関する話は本ブログではろくに触れていませんでしたが、この記事で初めて本格的に触れようと思います。

私の場合、もともとは22卒生としてWeb系企業をメインにエンジニア就活をしていたのですが、色々な要因が重なって満足のいく結果が出せず、休学して2度目の就活をすることを選びました。そして先日、第一志望であるWeb系メガベンチャーから内定をいただくことができたため、振り返りとちょっとの自己満足のために本記事を書くことにしました。

そもそもなぜ就活に失敗したのか

ここでは、なぜWebエンジニアとしての就活に失敗したのかという意味で書きます。 理由は主に2つあると考えています。

Web系企業の就活情報が圧倒的に不足していた

私は学部のときから情報系ではありましたが、悲しいことにWeb開発との接点は皆無でした(泣) 大学院に進学して環境が変わったことで初めて接点が生まれ、そこから研究や講義の片手間にハッカソンや個人開発をするようになり、徐々にその魅力に気づいていきました。

「Webエンジニアとして働きたい!よし、熱意や経験をアピールして頑張るぞ!」

と、意気込んだのが修士1年の秋。おわかりいただけただろうか。Web系の選考はとにかく時期が早く、早いところでは8月~9月くらいからエントリー受付が開始されます。つまり、完全に出遅れてしまったのです。

慌てて企業探しやらエントリーやらを済ませるも、書類落ち・技術面接落ちのオンパレード。ベンチャー企業をメインに受けていたのもありますが、Web開発の専門知識や実務レベルの開発経験に関する質問が当たり前のように飛んできて、新卒にそこまで要求するのか、と唖然としました。

自己分析のやり方が間違っていた

これは、2度目の就活を終えた今だからこそ実感できました。就活といえば自己分析が大事、みたいなところが一般的な認識としてありますし、私もそれは自覚して取り組んでいたつもりだったですが、今思えばやり方が間違っていたな、と思います。

具体的には、エントリーした企業のESや面接の質問に答えるために自己分析をしていました。例えば、A社の志望動機を書くために、A社に響くような自分の特性や過去の経験だけを記憶から引っ張り出してくる、といった具合です。本来であれば自己分析をして自分の行きたい業界・企業を決めてからエントリーするべきだったのでしょうが、完全に順番が逆転してました。

結果、自分の本心よりも企業ウケを前提にした仮想的な人物像が出来上がってしまいました。こうした人物像は場当たり的に作り上げたものなので一貫性がなく、面接などですぐにボロが出てしまいます。

例え内定まで進むことができたとしても、自分の本来の人物像がその会社に合わないのであれば、後から苦しい思いをすることになります。実際私も1度目の就活で2社ほど内定をいただいておりましたが、いざ冷静になると自分には合わないなと感じ、苦心の末どちらも辞退させていただきました(申し訳なかったです)。

休学中に何をしたのか

修士2年の5月から休学し、12月に内定をもらうまでの8ヶ月間、何をしていたのかをざっくり時系列で書いていきます。

5月:個人開発、自己分析、逆求人イベントへの参加

面接でさんざん痛感した技術力不足を補うため、まずは個人開発をはじめました。思えば、これまでWeb開発というものを体系的に学んだことがなかったため、一度基礎固めをしておいた方がよいと考え、以下のUdemyの講座を購入して典型的な掲示板アプリを作成しました。

www.udemy.com

DockerやRDBなど、Web開発において汎用性の高い技術についての基礎的な素養が身に付けられたのではないかと思います。

また、この時期から一応自己分析は始めていました。幸いなことに大学の友人が自己分析のやり方について助言をくれたため、以前のような過ちを犯すことはありませんでした。この時点ではまだ企業選びの軸までははっきりしていませんでした。

そして、逆求人イベントにも参加しました。企業について知り、あわよくばインターンのお誘いをもらおうと考えていました。このイベントで、内定先の御社との接点を作ることができました

6月~7月:チーム開発、インターン応募

個人で掲示板アプリを作り終えた後は、友人に声をかけてチーム(といっても2人)でオリジナルのアプリを企画・開発しました。

↓こんな感じの、意見箱とToDoリストを融合させたサービスです。 f:id:Ito-you:20220412220124p:plain アプリ開発と並行して、とにかく就業型インターンに片っ端から応募しました。過去に受けた面接で実務的な観点の質問をしばしば問われ、新卒といえどある程度は実務よりの知見が求められていると感じたためです。とはいえ、インターンの選考でも技術力は問われ、 個人開発をちょっと経験したくらいの人間は容赦なく書類で落とされます。立て続くお祈りメールに心をへし折られそうになりながらも、どこかは拾ってくれると信じて応募を続けていました。

結果として、4社からオファーをいただき、日程の都合で1社は辞退して3社に参加させていただくことになりました。

8月~9月:インターン参加、インターン応募

夏は、休日を除けばほぼインターンで埋まりました。以下は参加したインターンの体験記です。

ito-you.hatenablog.com

engineer.retty.me

記事にもある通り、個人開発では意識することのなかった運用やアーキテクチャなど、実務的な知見を多く見に付けることができました。 また、インターン先の会社で定期的に人事面談を設定いただいたことで、自然と自己分析も進んでいきました

インターン参加と並行して、秋以降のインターン応募も進めていました。秋以降は本選考が本格化するため、夏インターンほどの数は応募しませんでした。

10月:個人開発、逆求人イベントへの参加、本選考

インターンを終え、実務的な知識がいろいろと身に付いたところで、個人開発にもその知識を還元しようと思い、個人で新しいWebサービスの企画・開発をはじめました。これまではバックエンドを中心に経験を積んできましたが、実際の現場では技術領域をまたいでコミュニケーションや開発をすることも多い(企業や部署にもよる)と聞いたので、フロント開発にも取り組み始めました。結果、このサービスは未完に終わりましたが、後の選考でアーキテクチャを意識して書いたコードを評価していただきました

そして、この時期から逆求人イベントに積極的に参加しはじめました。就活の軸もかなり解像度が高まってきていたので、軸にマッチした企業が多数参加している回を中心に申し込み、1年前に比べて面談スケジュールがぎっちりと埋まるのを見て確かな手応えを感じました。

逆求人やエージェントの紹介で興味をもった会社には、この時期から本選考のエントリーを始めました。また、夏のインターン経由での早期選考もスタートしました。

11月:インターン、本選考

運よく1ヶ月の就業型インターンが決まったため、11月は週3でインターン、週2で本選考という比率で進めていました。

ito-you.hatenablog.com

はじめての対面型インターンで、1ヶ月を渋谷で過ごしました。社員との交流機会の多さ職場の雰囲気の感じやすさなど、リモートにはない魅力を体感しました。

本選考もインターン選考と同じスタンスで、とにかく数を受けていました。一方でインターン選考と違うのは、自分の就活軸や興味のある事業領域に多少なりともマッチする企業しか受けなかった点です。ありがたいことに逆求人や就活サイト経由で企業の方からオファーをいただくことも多かったのですが、軸に合わないと判断した場合はお断りしていました。

12月~1月:本選考、内定獲得

インターンが終わってからは本選考のみに集中していました。 相当に技術志向の強い会社以外は書類や技術面接で落とされることもなくなり、休学中の活動がたしかに評価されていると感じました。

メガベンチャー4社とスタートアップ2社の選考で最終面接まで到達し、うち2社内定、2社落選、2社選考辞退という結果になりました。

就活を振り返って

さて、ここからはWebエンジニアを目指す学生の方向けに、私が2度の就活を通して得た教訓をいくつか書いていこうと思います。

教訓1:自己分析は選考と切り離して行う

冒頭でも書きましたが、選考対策のための自己分析はおすすめできません。見えてくる人物像が断片的で場当たり的なものになり、自分の本心をなおざりにしてしまうためです。企業からよく見られようという思いは一度捨て、良い部分も悪い部分も隈なく分析してみることをお勧めします。

分析のしかたはいろいろあると思いますが、私は大きく2パターンの方法を用いました。

1つ目が、自分の幼少期から大学までの価値観や性格の変化を時系列で分析する方法です。自分がその時どんな人間で、どんな経験をし、それが自分の価値観をどう変化させたのかを、人生の各段階において振り返ります。こうすることで、自分がもともと持っている価値観や、成長過程で新たに獲得した価値観を洗い出すことができます。これは人事面接のかなり有効な対策になると思います。悪い部分も含めて認識しておくことで、面接でうっかりマイナスなことを口走ってしまうリスクも減ります。

2つ目が、ライフチャートという方法です。詳しい説明はネットでいくらでも出てくるので省きますが、自分がモチベーション高く働ける状態がどういうものかがある程度見えてきて、企業選びの軸が決めやすくなります

教訓2:就活軸は判断基準や優先度まで決める

自己分析をして企業選びの軸が出てきても、その軸が企業選びの際に機能しなければ意味がありません。例えば「裁量が大きい」という軸を決めただけでは、どの企業がそれにマッチするかを判断することは難しいでしょう。「現場のエンジニアが技術選定や設計まで行う」「エンジニアが企画に意見できる」など、具体的(かつ、できれば定量的)な判断基準にまで落とし込んでおくことで、企業選びや企業間の比較がしやすくなります。さらに、どの軸をより重視するのかという「優先度」を設定しておくことで、より合理的な比較・判断に繋がります。

教訓3:面接内容は忘れないうちにメモる

面接は神経を使うイベントなので、終わった後は気が抜けてしまいます。ですがもう少し踏ん張って、面接の内容をメモしておきましょう。面接官のポジションや質問内容、それに対する自分の回答、面接官の反応などを、覚えている限り書き起こします。これを面接のたびに繰り返すことで、単純に面接の振り返りになるだけでなく、どんな質問が頻出か、どんな回答がウケやすいか、といった傾向が段々と分かってきます。これは自分の経験に裏付けられたものですから、ある意味最も信用できるデータと言えるでしょう。

教訓4:リモート面接ならではの利点を活かす

今後どうなっていくかは分かりませんが、私の場合はほとんどの面接がリモートでした。そこで、質問への回答をする際、面接官の許可を得て自分のポートフォリオサイトを画面共有しながら話したり、勉強に使用している本をカメラ越しに見せながら話したりしていました。おそらく口頭だけで話すよりも伝わりやすくなるので、こうしたリモートならではの利点は積極的に活用していくと良いと思います。

教訓5:とにかく実務を経験する

これは本当に大事です。Web系企業の技術面接は現場のエンジニアが担当することがほとんどです。はっきり言って、個人開発と実務開発では視野がまるで違うので、個人開発オンリーで面接に臨むと撃沈しかねません(1年前の私)。インターンやアルバイトなどで実務開発を経験しておくことで、面接官と目線をそろえられるだけでなく、Webエンジニアという職種についても理解を深めることができます。

ただ、個人開発の成果物もあった方がいいです。企業の内部で出した成果は外部公開がNGな場合も多く、せっかく良い経験をしていても面接官にアピールできない可能性があるためです。理想はまず実務を経験し、その知見を持ち帰って個人開発に反映することかなと思いますが、そもそも開発経験がないと実務で雇ってもらえないので難しいところです...

教訓6:逆求人を有効活用する

逆求人はWebエンジニア志望学生の強い味方です。うまく使えば、一日で複数の志望企業とコンタクトをとることができます。企業理解も進みますし、優遇がもらえたりしたら選考をかなり効率的に進めることができます。私は以下のサービスを使わせていただきました。

ただし運営会社によっては、全く興味のない企業との面談を組まれてしまうなんてこともあるので、リスクとリターンのバランスを考えながら応募しましょう。

Webエンジニア就活のために休学して感じたメリット・デメリット

ここまでは私のWebエンジニア就活の取り組みや教訓について話してきました。では、そのWebエンジニア就活において、休学という決断がどのような点でプラス、あるいはマイナスに働いたのかをお伝えします。

休学してよかったこと

開発スキルを格段に高められる

言わずもがなですね。学業を気にせず開発に集中できるので、スキルは格段に上がります。ただし、能動的に動くことは前提です。 学業や研究の予定を気にする必要もないので、就業型のインターンやアルバイトにもどんどん参加することができます。

もしあなたがWebエンジニアを目指しており、普段は学業などでなかなか開発ができないという場合は、休学を検討してみる価値はあると思います。

じっくり自分と向き合う時間がとれる

学業や研究と並行しながら就活をしていると、どうしても就活に割ける時間的・精神的リソースが限られてしまうため、自分と向き合うことを忘れがちです。そのため、自分に合わない企業を選んでしまったり、場当たり的な自己分析をしてしまったりする可能性があります(経験談)。

他のことから解放されて就活だけに集中できる環境を作ることで、自分と向き合って本質を見ることができ、本当に自分に合った企業・事業領域がどこなのか見定めることができます

休学して辛かったこと

就活仲間がいない

私の場合、1人で休学に踏み切ったのでともに就活をする仲間がいませんでした。就活という心理的負担の大きいイベントで、その負担を分かち合う仲間がいないというのはきついものがありました。

1社でも内定が出るまでは気が抜けない

これは通常の就活でも言えることですが、休学をしたことでその緊張感はさらに増大しました。時間と費用をはたいて休学をするわけですから、何が何でも成果を出さなければというプレッシャーからは逃れられません

とにかく数を受けて残機を増やしておくことは、こうしたプレッシャーを緩和してくれます。

復学したら研究室が変わっている

はい、これは私だけだと思います(笑)

自分が所属していた研究室が休学中になくなってしまい、別の研究室の所属になってました。 研究もまさかの0からリスタートです\(^o^)/

時代の流れというのは、かくも残酷なのか...

おわりに

私の就活の総まとめとして、本記事を書いてみました。これまでにバリバリ開発経験を積んできた人や、就活までまだ時間がある人にとっては、あまり参考にならない内容だったかもしれません。ですが、もし私と同じように就活が近くなってからWebエンジニアに興味をもった方がいれば、休学という選択肢は考えてみる価値があると思います。

Web業界は転職が多いので、自分の市場価値を高めるためにもファーストキャリアでどこに入るのかはかなり重要だと私は考えました。そのため、1度目の就活で内定をいただいた企業を辞退し、2度目の就活をすることを選びました。

Web系に行きたいという強い意志があり、能動的に動ける人にとっては、休学の期間はかなり有意義なものになると思います。一方で、プレッシャーや孤独感などの心理的負担に苛まれてしまうリスクもあります。自分の性格や境遇と相談して決断していただければと思います。

それでは最後に、私が休学する前に、休学経験者である私の友人から言われた言葉をそのまま送ります。

休学はいいゾ^^

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!!!